防災人として読んで損は無し、どころか、絶対に読むべしという本(個人的見解です。あくまでも・・・)を紹介します。
一度に全部は無理なので少しずつアップしていきます。
ご容赦を m(_ _)m
なかには、「これと防災の関係は?」っていうのもあるかも。
偶然、書店で見かけ少し立ち読みしたら、漫画で説明されえていて読みやすいし、内容的にも凄いと感じて、思わず買ってしまいました。
結構この手の本は、他の本のマネ的な内容が多いのですが、これは違いました。結構、現場を知っている方が書いたのか、協力したと思いました。
簡易トイレのビニールからの臭いの対処や、水害時の避難行動時の履物について、判を押したように言われているのは「ズックで」なのですが、この本では長靴をはき行動した方が良いと紹介されており、やっと現実を知っている人が現れたと、本当にうれしくなりました。ズックで浸水した中を歩くと分かりますが、直ぐ脱げやすく、靴底も長靴ほど滑り止めもない為、非常に滑りやすく危険なのですが、内閣府や国交省までもが「ズック」派で・・・・
この他にも、自宅で避難生活をする知恵がぎっしり詰まっています。どうか読んでみてください。
岩波書店から発行されている「高校倫理からの哲学 災害に向き合う」
この本は、20人近い哲学学者が「災害と向き合う」というテーマで倫理について述べています。
親鸞聖人が飢饉災害とどう向き合ったのか、歎異抄の記述から「寄り添う」とはどうゆうことなのかを解説しています。また、災害ボランティアから倫理観の変化なども論じられております。その中でも、広島大学大学院教授の越智教授が執筆された「震災は人々の倫理意識を変化させるだろうか」では、「私たちの日々の営みは、すべて幸福の問題へとつながっている」と書かれており、この単純で明快な原理をつい忘れていました。私たちは幸せになるために「防災・減災活動」をしているということを。そのなかでは、忘却と記憶について述べられており、社会の変化とともに倫理観も変化していることが理解できます。
私はあまり頭がよくないせいか、何度も読み直し、考え込みました。ためになる本です。
サブタイトル「教訓を未来につなぐ防災教育の最前線」となっていて、一見難しそうな内容と思われますが、事例などを多く取り入れてあり、分かりやすい内容となっています。
内容の災害関係多岐にわたり記載されており、「避難所」については詳細なデータをもとに、問題点を明確に提示しています。解決策に関しては、もう少し踏み込んでほしいところですが・・・(個人的感想です)
災害についてしっかり学ぶには絶対におすすめの一冊です。
「防災に女性の目線を!」という声をよく耳にします。私のところにも最近よく依頼も来るようになってきました。男女共同参画の一環で、近年取り組みが活発にって来たようです。
「避難所の運営にも女性の参画を」とかの声も多くなっています。
是非この本をお読みください。女性目線とは何かがよくわかる内容になっています。
寺田虎彦は、大正から昭和にかけての随筆家であり、物理学者でもありました。その氏が地震や津波・火災・デマなどについての論考やエッセイが収録されています。
東日本大震災での被害を予言するような論考が「天災と国防」に書かれています。「自然が暴れだして高楼を倒壊せしめ堤防を崩壊させて人命を危うくし財産を滅ぼす〈中略〉災害を大きくするよう努力しているものはたれあろう文明人そのものなのである」と記されています。
どうぞご一読あれ
この本は2010年12月に発行されました。著者の河田惠昭氏は日本の防災重鎮であり、中央防災会議の委員も務められ、日本の防災・減災の基礎を築いてこられた方です。
2010年2月に起きたチリ沖地震が起き、日本太平洋沿岸に大津波警報がかけられました。しかし、避難行動を取るものは異常に少なく、このまま99%の発生確率となっている「宮城県沖地震・三陸地震」が起きれば、甚大なる犠牲者がでてしまうと、警鐘を鳴らし多くの方に津波の恐ろしさ、避難の大切さを理解してもらおうと、急きょ書かれた本です。
その本が出されて3か月余りで東日本大震災が起きてしまい。先生の危惧は実際のものとなってしまいました。この本には、津波対策だけではなく、防災減災の基本的なことが記されています。
畑村先生は東京大学名誉教授であり、2011年に起きた福島原発事故の政府事故調査委員会の委員長をされた方です。「失敗学」という「人はなぜ失敗を繰り返すのか」ということを心理学的に研究されておられます。その視点で、東日本大震災において何故避難率が低くなってしまったのか、災害と人・社会は如何に付き合っていくべきなのかなどが、とても分かり易く書かれています。
「忘れる」という習性や、「止める」ではなく「いなす」という考えなど、とても驚く視点で書かれており、防災に携わる者として非常に参考となる本です。
現在は東日本大震災の影響や、昨日発表された「南海トラフによる最大死者数32万人」という情報などで、避難について、とても考えられるようになっています。
著者の広瀬先生は災害心理学の権威であり、2004年に本書を発行されました。避難に対しての人の心理が丁寧に書かれており、避難を考える場合、ただ情報だけがあれば人は動かない。人が行動に転換する情報とはどういうものなのかなどが書かれております。
行政の防災担当者にはどうでも読んでほしい本ですね。地域防災に関わる人も是非。
防災人間科学の第一人者の矢守氏とボランティア論などの面での人間科学で著名な渥美氏が編著した本です。
さすがに人間科学論的に書かれていて、初めての人にはちょっと辛いかもしれません。
本文より 「アクションリサーチは、「こんな社会にしたい」という思いを共有する研究者と研究対象者とが展開する協働的な社会実践のことである。」というような内容で書かれています。しかし、防災に関しての研究者を目指すような方は必読の本であることは間違いありません。
「メッセージとメタメッセージ」に関するところなどは、私自身も「目からうろこ」でした。
私自身も各地で防災の話をするときに、「自分の声が聞こえる範囲。自分の耳が聞こえる範囲。自分の目が見える範囲で、命を守りあう仕組みづくりが重要」と言っています。
まさにこの本が言わんとしていることです。本書には上杉鷹山の「三助」についてや、「隣組」について詳しく書かれており、過去の仕組みがいかに凄かったがわかります。