勘違いの消毒作業

だんだんと西日本豪雨災害のニュースも少なくなっている。猛暑災害に切り替わってしまった。そんな中で、「酷暑の中 懸命に復旧作業・・」とのニュースが映し出されると、土砂などの撤去が済んで、消毒のために家周辺から家の中まで消石灰が撒かれた映像とかをよく目にする。違うんだ。いつからそうなってしまったのか・・。消石灰は消毒しないんだ。あれは水分を吸収するために撒くものなのだ。水分を含んだ泥や床下などに撒いて凝固させ撤去するもの。ましてや消石灰は目に入ると失明の危険があるという毒性がある。しばらく前まで小学校などの校庭のライン引き用に使用されていたが、今では文科省も危険と判断して使用を自粛するように指導している。

 

折角なので、土砂や泥などが床下にまで入った場合の復旧方法を簡単に説明すると、以下のようになる。

 ① 家財等の運び出し

(せっかく来てくれたボランティアさんの手があるうちにと、急いで何でもかんでも運び出してしまって、あとで後悔されることが多々あります。ゆっくり判断できるように配慮が必要です)

 ② 床上の土砂・泥の撤去

(床上は乾きやすく撤去は、まだしやすい。消毒用に消石灰ではなく希釈した塩素系薬剤(キッチンハイターでもOK)を散布し乾燥させる)

 ③ 床下の土砂・泥の撤去

(床下は乾燥しにくいので。あらくでいいので土砂等を取り、消石灰を撒きしばらく乾燥させて、それを撤去する。その後に①と同様の消毒剤を散布して乾燥させる。)

※床下に入りにくい場合は、勾配を調べて低い方に基礎部分に穴をあけ、水流で流しだす場合もある。この場合は必ず専門家の指導が必要となる。

 ④ 家の周りの土砂・泥の撤去

(家の周りで注意するのは、排水路の復旧です。玄関回りなどだけしても排水路が埋まって排水できないと、雨が降った時など土砂や泥がまた流れ込んできます。)

以上、泥かきボランティア講座でした。

う~ん、本にでもするかな・・・・