東日本大震災関連の本を紹介します。
右の写真は、「つなみ(文芸春秋)」に記載されているものです。口をきつく結び飲料水を運ぶ姿。これはイタリアの週刊誌で紹介されたもので、記者は「面構えがいい。日本は必ず再興する。」と書かれていたそうです。
死と向き合った子どもたち。その子たちが未来の日本をつくる。私たち大人は、彼らをしっかりと守っていかなけばなりません。
下記の震災直後に子どもたちに書いてもらった作文集「つなみ」。それから5年が経ち、5年後の子どもたちの作文集が発行されました。まさかの5年後に再度発行されるとは思いませんでした。しかし、震災を経験した子どもたちは、目を背けることなくまっすぐに震災を見つめていました。松島氏の中学生が、新潟での防災交流会で「伝えることが最大の防災」と訴えています。いろんな子どもたちの、5年の時間が、5年の想いがつづられています。今一度、5年前の「つなみ」と読み比べてみませんか。
東日本大震災が起きた年の8月に臨時増刊号として出版された本です。こどもたちが、その目で、肌で感じた大震災を作文に残しました。
母親を失った子、津波を見て「止まれ~!止まれ~!」と必死で叫んだ子。あの大震災の猛威を伝える本は多く出されていますが、これほどこころに刺さるものはありませんでした。
私たちは、この子どもたちから学ばなければなりません。しっかりと子供たちを守ること。子供たちを悲しませないことを。
東日本大震災 障がい者の被災と避難の記録です。
著者の中村氏は福島県点字図書館館長をされていて、あの未曾有の災害の時、障がい者はどうしたのかを記録に残そうと、社会福祉協議会などの協力を得て書かれました。本書の初めに「あと少しの支援とは、あと一人のという意味でもある。あと一人いれば命を助けることができたし、あと一人いれば避難の負担がどんなに軽減されたかわからない。そして今も避難生活の中で、あと一人の支援を待っているのである」と、書かれています。
本書は、徹底した聞き取り調査をまとめ上げてあります。車いすの人が、あの時どうしたのか?軽度の知的障害の人が どうして逃げなかったのか?など、かなり克明に本人や遺族の証言を記録してあります。
東日本大震災では600名以上の小学生や中学・高校の生徒たちが命を失った。本書は、各学校で何が起きていたのか、どのような対応をしたのか、何が問題であったのか、などを克明に追及しています。そして、今後起こると考えられている南海トラフ地震に対しての備えを訴えています。
子どもたちの命を守るのは、決して学校だけの責任ではありません。地域社会も、家庭も、しっかりと命を守ることを考えなければならない。どこかに押し付けられる問題ではないことを再認識です。
遺族、検死医、自衛官、消防団、潜水士などが直面した「震災死」。メディアでは語ることがタブーとされている部分。しかし、「死」ということに向き合わなければ、生ははじまらないと著者。
「遺体から聞こえる“声にならない声”」検死医が、見つかった遺体を一人でも多く家族のもとへ帰そうと、必死に遺体と向き合う医師。家族が水没した車中に確認できても、生存者捜索が優先で、引き揚げてもらえず、そのまま避難所へと引き返す遺族の思い。
防災減災を考えるならば、当然に死と向き合わなけれなならない。目を背けず受け止め、だからこそやらなければならいと感じた本でした。