災害時安否確認トレーニング[SAT]について説明します。
(※「SAT」とは災害時のS、安否確認のA、トレーニングのTの意味です)
このトレーニングは、各地域で活動している自主防災組織の方々が、実際に災害が発生した場合の行う「安否確認」をテーブル上で体験し、安否確認を確実にかつ迅速に行うために、どのような準備が必要なのかを理解していただくためのトレーニングです。「DIG」と同じように地図(仮想)を用いて行いますが、「ゲーム」ではなく「命を守るための大切な能力を育てる」という意味で、敢えてトレーニングとしています。
「安否確認」とは、救助活動に直結した大変重要なアクションで、この確認作業がいかに迅速に確実に行われるかで、助かる命は大きく変わってくるのです。無事に避難しているのに不明者と勘違いして、誰もいない場所の捜索し、貴重な救命活動のロスをつくりだしてしまい、助けられる命を守れなかった。このような事案は数え上げればきりがないほど発生しています。では何に問題があったのでしょうか。それは「安否確認」が正しく実施されていないことが大きな要因と考えられます。この作業が「全くされていない」「情報が錯綜する」「伝達できなかった」など、災害が起きるたびに同じような報道を目にします。
「安否確認」という作業は、どの自主防災活動マニュアルにも発災後に直ちに行う行動して明記してありますが、どのように行うのかはほとんど記載されていません。そのため、全国で行われている自主防災組織の研修で、安否確認について正しく学べる研修も全くと言っていいほど実施されていません。しかし、この作業が如何に難しいかは実際に起きた災害で実証されています。
そこで私たちは、実際の安否確認をテーブル上で体感し、どのような備えが必要なのかを理解していただくためのトレーニングシステムを考え、昨年のセミナーで実施いたしました。
仮想の平成地区(22町内会 左図)をベースに、各町内会での安否確認を実行します。これに加えて地区としても対策本部を設け、そこに安否確認報告を各町会が行うトレーニングです。町内会単位でも小学校区などの広域でもトレーニングできるようになっています。
このトレーニングは、当会で作成した「安否確認マニュアル」をベースにして組まれています。
マニュアルには、安否確認シートの雛形や事前準備の項目、避難場所に関すること、発災した場合の行動の基本を地震、風水害街などのカテゴリー別に解説しています。これらの内容を体感してもらうためのトレーニングとなります。「なぜ統一したフォーム(用紙)が必要なのか」「なぜ言語を統一しなければならないのか」などを文章にし、読んでもらい『なるほど〜』と理解しても、それは頭だけの話で「必要性を理解」までには至っていません。しかし、このトレーニングを受ければ確実に理解します。
あまり詳しく説明はできませんが、参加された方々からは「安否確認がどのようなことなのか理解できた」「どうやれば良いのか解らなかったが、ようやく解った。是非、うちの区でも安否確認の備えを実施する」などの賛同の声をいただいております。
関心のある方は、以下から資料をダウンロードするか、当会までお問い合わせください。