これまで活動してきた主なものを紹介します。
「地域防災と公民館」というテーマでワークショップをしました。
これまで防災研修や防災ワークショップを行ってきて、参加者から出される意見は同じ内容ばかりで、「住民の防災意識の啓発を・・・」とかいった判を押したような内容が殆ど。決して間違ってはいません。正しい、でも何か違和感がある。普段、言われていることが並んでいるだけなのでは・・・。『命を助けたい』という思いが、意志が伝わってこない。これじゅあダメだ、と思い考えたのが、この「時計の針を戻す」ワークショップです。仮想の地域と公民館で大地震が発生し、大規模な被害が発生する。被害も単に死者数だけではなく、死亡した経緯も提示し、仮想被害を立体的にし、より現実的にとらえられるようにしました。そして、『もし、発災の1年前に時計の針が戻せたら、失われる命を守ることができるのか?』という設定で、参加者に対策と、実行スケジュール(12か月)を考えてもらいました。
対策(プラン)を考える場合は、「誰の命が助かるのか」を考えながらプランを考えます。左のワークシートはすごい短時間の中で最もよくまとめられています。前半の実践事例も良く取り入れられており、誰の命がまもれるのかが判りやすくなっていました。全部で22グループが対策を考えてもらいました。そのなかで大変興味深かったものがGグループの「見守り隊・子育て支援・PTA・育成会等の団体から委員を出し[子ども救出委員会]を作り、子どもの生存率を100%に」というのがありました。ネーミングも具体的でわかりやすく、目標を潔く100%というのが、当たり前なんだけどすごく良い。
今年の春から坂井市三国中学校の避難所解説運営計画の策定に参加し、このほどマニュアルが完成をしました。中学校の耐震工事が完了するまでは活用はできませんが、中学校の活用計画というものは殆どされておらず、非常に画期的なものになりました。
運用計画には、避難所だけの機能ではなく、三国地区全体の住民による支援拠点を設け、各避難施設や各区での活動を支援します。この他、福祉支援拠点も設け、社協を中心に高齢者や障碍者の支援活動、災害ボランティア活動の拠点も併設します。住民支援拠点と福祉支援拠点を併設することで、より円滑な被災住民支援活動が実現できと考えられます。
この取り組みも、福井県内では先進的な取り組みであり、関心のある方は当会までお問い合わせください。内容等ご説明いたします。
坂井市春江小学校に続いて、小浜市内外海小学校の避難訓練に参加しました。学校名の通り、海に面したところにあり非常に景観の素晴らしいところです。入り江の奥のほうということもあり波は穏やかで、ゆったりとしており、校舎裏は緩やかな山があり、その山すそに、5mほどの切り土を設け近年建てられたそうです。
今回は、地震発生とともに津波警報が発令されたため、裏山の上部(30mほど)へ避難するというものでした。あいにく天候が悪く、裏山への避難は中止となりましたが、全学年しっかりと訓練が実施されました。廊下に置いてある棚等は固定されており、避難の方法も1年生を6年生がサポートしながら逃げるようにもなっていて、しっかり体制が考えられていて感心しました。いくつかの細かい点は指導をしましたが、やはり春江小学校でも同じなのですが、防災施設(防災盤など)があまり理解されていませんでした。火災や地震が起きると防火シャッターなどがどのように作動するのかなど、やはり普段から確認しておくことが必要ですね。
この小学校のある内外海地域には、住民の方を対象に当会代表が防災講演会も行っており、これから学校も参画して、地域全体で防災活動を行っていくとのことでした。小学校も一体となっての取り組みは大変大きな効果があります。ぜひ地域防災力をみんなで育ててほしいと思います。
小浜市で災害ボランティア連絡協議会が組織され、その初研修会が開催され、災害ボランティアの意義やセンターの運営などについて研修をさせていただきました。もともと市民活動が盛んな街だけあって、40名を超える人が集まって、賑やかにシミュレーションができました。
今後も、継続して研修を実施するそうです。災害ボランティアコーディネーターの育成は、被災者とボランティアを繋ぐ能力の育成です。災害時だけでなく、普段のボランティア活動でも役に立つ能力ともなるので、更に小浜市の市民活動の活性化につながればいいですね。
福井市立小学校・中学校の校長(約70名)を対象にした研修があり、「大地震が起きた時、子供たちをどう守るか」という題材で講演をいたしました。
やはり東日本大震災の影響もあり、とても防災に対し関心があるということでの依頼だったわけですが、テクニック的な内容は文科省からも手引書等が出されているので、基本的な命を守る基本である「災害を甘く見ない」ということから、なぜ命を危うくすることが起きるのか、危機管理とは何なのか、などを中心に講演をいたしました。
平成22年・23年の2年間かけて、三国地区の5小学校地区で避難所開設運営マニュアル策定の支援をしてきました。
地区の自治会役員・防災担当者・学校教員・消防署・行政が検討委員となり作成したのですが、企画実行は住民サイドで策定するという、非常に画期的な取り組みでした。しかも今年度は、更に三国中学校をベースに災害時の運用方法を検討することになりました。中学校をベースに災害時運用を検討するのは全国的にも例がなく、先進的な取り組みであり、これが完成することで3年かけた取り組みは完了となります。
なぜこの様な取り組みが実現できたのかと考えると、やはり「人材」と言わざるを得ません。自治会連合会の会長である近藤氏の情熱と責任感が、多くの住民を巻き込み、学校や行政を動かしてきたのです。まったく頭の下がる思いであり、このような事業に関わることができたことに感謝する次第です。
今後この活動成果は、他の地域の道しるべとなっていくことと思います。